外壁全面打診調査の対象・対象外になる建物|義務や罰則など徹底解説

外壁全面打診調査は、建物の外壁の状態を調べるために作業です。一般的に12条点検と呼ばれ、法律で義務付けられており罰則もあります。本記事では、外壁全面打診調査の対象となる建物や、対象外となる場合、さらに義務化されている状況やその罰則について詳しく解説します。
当社リビングカラーコーポレーションでは、仮設足場を必要としない無足場工法にて外壁打診を実施いたします。「ドローンパイロット1級」「ドローン調査安全管理者」「赤外線建物診断技能師」の有資格者、「ロープアクセス」を駆使した経験豊富な技術者が調査を担当しております。高品質な調査結果を迅速に低コストで提供でき、万が一のリスクにも万全の体制で対応できるため、多くのオーナー様から信頼をいただいております。外壁調査をお考えのオーナー様は、ぜひ当社までご相談ください。
目次
外壁全面打診調査の対象・対象外となる建物は?
外壁全面打診調査の対象建物は、基本的に病院や福祉施設、劇場、ホテル、学校、事務所などの特定の施設が定期的な点検が義務づけられていますが、詳細については各自治体によって対象となる建物の基準が異なります。
例えば東京都では共同住宅が対象ですが、神奈川県横浜市では対象外になっています。以下に東京都と横浜市の対象建造物をご紹介します。※詳細はリンク先をご覧ください。
東京都の全面打診調査の対象
下記表の他、外装材が湿式タイル・石貼り・モルタル等の場合、起算日(検査済証交付年月日、外壁全面改修完了日、全面打診等調査完了日の属する年度の翌年度の開始日)から 10 年を超え、報告日までに全面打診等調査が必要となります。
対象建物 |
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劇場、映画館、演芸場 |
観覧場(例外あり)、公会堂、集会場 |
百貨店、マーケット、勝馬投票券発売所、場外車券売場、物品販売業を営む店舗 |
地下街 |
児童福祉施設等(例外あり) |
病院、診療所(例外あり)、児童福祉施設等(例外あり) |
旅館、ホテル(例外あり) |
学校、学校に附属する体育館 |
博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場、体育館(例外あり) |
下宿、共同住宅又は寄宿舎の用途とこの表(例外あり)に掲げられている用途の複合建築物 |
百貨店、マーケット、勝馬投票券発売所、場外車券売場、物品販売業を営む店舗(例外あり) |
展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店 |
複合用途建築物(例外あり) |
事務所その他これに類するもの |
下宿、共同住宅、寄宿舎(例外あり) |
高齢者、障害者等の就寝の用に供する共同住宅又は寄宿舎(例外あり) |
詳細については次のリンクからご確認ください⇒【東京都】定期報告の対象建築物について
神奈川県横浜市の全面打診調査の対象
対象建物 |
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劇場、映画館、観覧場(例外あり)、公会堂、演芸場、集会場(例外あり) |
病院、診療所、介護老人保健施設等(例外あり) |
ホテル、旅館 |
体育館、博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場 |
百貨店、マーケット、物品販売業を営む店舗、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店、勝馬投票券発売所、場外車券売場、場外勝舟投票券発売所 |
複合用途建築物(例外あり) |
個室ビデオ店等(例外あり) |
児童福祉施設等(例外あり)、サービス付き高齢者向け住宅、認知症高齢者グループホーム、障害者グループホーム |
詳細については次のリンクからご確認ください⇒【神奈川県横浜市】定期報告の対象建築物についてはこちら
外壁全面打診調査の対象外となる建物は?
外壁全面打診調査の対象や免除について、一般的に乾式工法の場合は調査対象外とされることが多いですが、こちらについても各自治体によって異なるため、詳細はお住いの地域のHPをご確認ください。
また、外壁全面打診調査は、歩行者などに危害を及ぼす恐れのある部分が対象となります。この対象部分は、外壁が公道や通行する人が多い私道、構内通路、広場などに直下している場合で、かつその壁の高さの約半分以内に位置するものです。
ただし、壁面下に鉄筋コンクリートや鉄骨造の強固な防御施設(屋根やひさしなど)が設置されていたり、植込み等で影響角が完全に遮られている場合は、危険がないと判断され、対象外となります。
外壁調査の対象範囲はどこまで
外壁調査の範囲については、維持管理の観点から外壁全体を診断し、劣化による構造への影響を最小限に抑えることが理想的ですが、費用がかかるため、定期報告制度では「災害危険度の高い壁面や、歩行者などに危害を及ぼす恐れのある部分」に限定して診断が求められています。そのため、どの範囲を調査対象とするかを慎重に検討する必要があります。
災害危険度の高い壁面とは、壁面全体やその高さの半分以内に位置する部分が、講堂や多くの人々が通行する私道、構内通路、広場に面している場合です。
ただし、壁面の直下に鉄筋コンクリートや鉄骨構造などの強固な防御施設(屋根や庇など)が設置されている場合や、植え込みなどによって影響角が完全に遮られている場合は、災害の危険がないと判断され、その部分は調査対象外となります。
外壁全面打診調査は義務付けられている?
外壁全面打診調査は、建物の外壁の状態を把握し、安全性を確保するための重要な調査です。特に、10年に1度の外壁全面打診調査は、建築基準法によって義務付けられており、これを怠ると罰則が科せられることもあります。
10年に1度の外壁全面打診調査は建築基準法が定める義務
外壁全面打診調査は(12条点検)は、建物の安全性を確保するために建築基準法12条で義務づけられた法定点検で、竣工から10年が経過した時点や外壁改修工事を行った後には、外壁の全面調査を実施し、その結果を報告しなければなりません。
この点検は、建物の安全性や法的適合性を維持するために、専門の調査員によって実施され、報告義務を怠ると最大100万円以下の罰金が科せられます。
定期報告を怠ったり虚偽報告を行うと、より厳しい処分を受けることがあります。初回点検では案内が届かないこともありますが、点検義務は免除されません。
報告を怠ると、災害時の避難困難や死亡事故のリスクが高まり、虚偽報告が発覚すると罰金が科せられます。また、他人に損害を与えた場合、オーナーや管理者は賠償責任を負う可能性もあります。
この調査は、打診調査や赤外線調査を用いて行われ、禁煙ではドローンを使った調査が行われることもあります。
より詳しい情報が知りたい方は下記をご覧ください↓
⇒「12条点検による外壁調査は10年に1度の義務!内容や罰則について」はこちら
外壁全面打診調査の方法
外壁全面打診調査は、建物の外壁に潜む不具合を発見するために行う重要な作業です。この調査には、主に「打診調査」と「赤外線調査」の2つの方法があります。
それぞれの方法やメリットなどをご紹介します。
打診調査
打診調査は、打診棒やテストハンマーを使って外壁を叩き、音の違いを確認することで、異常や損傷の有無をチェックする方法です。打診調査の方法としては、高所作業車やゴンドラ、仮設足場、ロープなどを使用します。
健全な部分は明るく高い音がしますが、浮きや損傷がある部分では、低くてゴロゴロとした音がするため、その音の違いから問題の有無を判断します。この方法により、目に見えない不具合を早期に発見することができます。
複雑な外壁を調査することに優れていますが、足場組やゴンドラの設置費用などコストが高く、特に広い範囲の調査ではより費用が高くなります。
赤外線調査
赤外線外壁調査は、足場を使わずに赤外線カメラを用いて建物の外壁内の温度分布を分析する方法です。
この技術では、目視では捉えきれない断熱不良や劣化、湿気の侵入などの問題を非破壊で検出でき、従来の方法では見逃しがちな内部の異常や隠れた問題を早期に発見することができるため、コスト効率が良く、迅速に調査を進めることが可能です。
赤外線外壁調査には、地上で行う「地上赤外線調査」と、ドローンを使った「ドローン赤外線調査」の2つの方法があります。
地上赤外線調査は、低層の建物や一部の調査に適しており、専用カメラを用いて地上から調査しますが、角度が45度を超えると精度が低下するため、高層建物には適していないことがあります。詳細を知りたい方は下記をご覧ください。
⇒「赤外線外壁調査とは?メリットやデメリット」についてはこちら
ドローン赤外線調査は、高層建物や広範囲の調査に向いており、ドローンに搭載した赤外線カメラで短時間で効率的に調査を進めることができます。また、安価でクラックの調査も同時に行うことができ、精度の高いデータを高所で取得することが可能です。詳細を知りたい方は下記をご覧ください。
⇒「ドローンでの建物の定期点検の費用やメリット」についてはこちら
外壁全面打診調査の費用
赤外線調査は、1平方メートルあたり約120~800円程度が一般的な相場です。ドローンを使用した場合でも、300円前後と比較的安価に抑えることができるため、広範囲な調査には大きなコストメリットがあります。
対して、打診調査の費用は1平方メートルあたり160~800円程度ですが、足場設置や作業員の人件費が追加されるため、工期が長引くほど総コストが増大します。特に、広い外壁面積を持つマンションやビルでは、打診調査の費用が数倍から数十倍に達することもあります。
ロープアクセスを利用した打診調査では足場が不要なため、費用を抑えることができますが、広範囲の調査では人件費がかさむため、赤外線調査より割高になることもあります。
赤外線調査の主な利点は、広範囲な調査を短期間で行えるため、調査面積が広がるほどコストメリットが増す点です。また、赤外線調査は足場やゴンドラが不要で、作業効率が高いため、さらにコストを削減できます。
特にドローンを活用する場合、高層建物でも迅速かつ安全に調査を行うことができ、安全性とコストパフォーマンスの両方で優れています。
外壁全面打診調査の資格
赤外線外壁調査自体には法的に特定の資格が必須とはされていませんが、専門技術や知識の有無によって調査結果の精度や信頼性が大きく異なるため、資格は非常に重要になります。資格を有していることで、実施する調査の信頼性、データの解析や報告書作成においても客観的かつ説得力のある結果が得られます。
当社リビングカラーコーポレーションでは、仮設足場を必要としない無足場工法にて外壁打診を実施いたします。「ドローンパイロット1級」「ドローン調査安全管理者」「赤外線建物診断技能師」の有資格者、「ロープアクセス」を駆使した経験豊富な技術者が調査を担当しております。高品質な調査結果を迅速に低コストで提供でき、万が一のリスクにも万全の体制で対応できるため、多くのオーナー様から信頼をいただいております。外壁調査をお考えのオーナー様は、ぜひ当社までご相談ください。