コンクリートクラックの許容範囲や原因についてご紹介

コンクリート構造物におけるクラック(ひび割れ)は、建物の耐久性や安全性に大きな影響を与える可能性があります。クラックが発生する原因やその許容範囲について理解することは、適切な対策を講じるために非常に重要になります。
本記事では、コンクリートクラックの発生原因から、許容範囲、放置による危険性、さらには補修方法まで、広範囲にわたって詳しく解説します。クラックが進行する前に知っておきたい情報をお届けし、適切なメンテナンス方法をご提案します。
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コンクリートクラックの許容範囲と基準は
コンクリートクラックの許容範囲や基準は、建物の構造や部位、クラック原因に応じて異なります。基礎部分や構造的に重要な部位では厳格な基準が求められ、クラックが発生した場合は早期に対応が必要です。
また、外壁部分では美観や機能性を保つために許容範囲を考慮し、進行する前に修復を行うことが大切です。本記事では、基礎、構造クラック、外壁部分などにおける具体的な許容範囲や基準について詳しく解説します。
ひび割れの基準
コンクリートのクラック(ひび割れ)基準は主に以下のような点に基づいて評価されますが、どのようなクラックでも放置すると進行する可能性があり、最終的に構造的な問題を引き起こす原因に可能性があるので注意しましょう。
ひび割れの幅:
コンクリートクラックのひび割れ幅の許容値は、建物の種類や用途・ひびわれ原因によって異なりますが、一般的には幅0.3mm以下・深さ4.0mm以下のクラックは「ヘアークラック」と呼ばれ、早急的に構造的には問題ないことが多いです。幅0.3mm以上、深さ5mm以上の場合は「構造クラック」と呼ばれ、構造に影響を及ぼす可能性の高い危険性のあるクラックのことをいいます。
ひび割れの位置:
ひび割れが構造部材の重要な部分(例えば、柱、梁、床など)に発生した場合、構造的な問題を示す可能性があり、注意が必要です。特に荷重を受ける部分や基礎に発生するクラックは重大な問題に繋がることがあります。
ひび割れの形:
ひび割れの入り方(横・斜め・十字)によっても危険が異なります。要因や原因によっても異なるため、一概には言えませんが、十字、斜め、横の順番で注意が必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。
⇒マンションの壁、斜めのひび割れは要注意!?一直線、幅、場所など徹底解説はこちら
ひび割れの発生原因:
コンクリートが乾燥や温度変化、収縮などによってひび割れることがありますが、施工不良や材料不良が原因の場合、修復が必要です。原因により補修方法も異なります。
動的な負荷によるひび割れ:
建物が動的な負荷(例えば、地震や風圧)を受けてクラックが生じた場合、その影響が設計基準を超えると判断された場合には補強や修復が求められます。
構造的に重要な部位での許容範囲
構造的に重要な部位については基礎にクラックの許容範囲をご紹介します。
このクラックが発生した場合、それが引き起こすリスクや影響は非常に大きいため、迅速に専門家に相談し、原因を特定した上で適切な対応を行うことが重要になります。クラックが進行すると、建物の安全性や耐久性に大きな問題を引き起こすため、定期的な点検と早期修理が欠かせません。
基礎に発生したクラックを放置すると、ひび割れからコンクリート内部に雨水が浸入して、鉄筋にサビが生じます。幅0.2mm程度のわずかなクラックでも、雨水侵入の可能性があるので注意が必要です。また幅が広く深いクラックは、耐震性能の低下を招きます。
そのまま放置すると、大型地震で建物が倒壊することもあるので危険です。幅0.3mm未満、深さ4mm未満の「ヘアークラック」は、すぐさま強度に悪影響を与えることはないので許容範囲内でもありますが、放置すると危険です。特に基礎全体に数多くのヘアークラックが発生している場合は注意しましょう。
幅0.3mm以上、深さ4mm以上の構造クラックは、ひび割れがコンクリート内部の鉄筋にまで達しているケースが多いため、基礎の補強が必要になります。構造クラックを放置すると、住宅に傾きが生じて様々なトラブルが起こったり、地震で建物が倒壊したりする原因になるので放置は厳禁です。
外壁部分での許容範囲
外壁部分におけるクラックの許容範囲は、場所によって異なります。屋外では、ひび割れの幅が0.3mm以下のヘアークラックであれば早急な問題にはならないことが多いですが、放置すると深刻な問題に発展するため注意が必要です。またクラックの原因によっても危険度が異なるため、ヘアークラックだから安心とは一概には言えません。
一方、屋内では、クラックの幅が0.5mm以下であれば許容されることが一般的です。また、漏水のリスクに関しては、幅が0.15mm以下のひび割れが許容範囲とされており、漏水に対する耐性の基準はより厳格に設定されています。
コンクリートクラック|ひび割れ種類パターンと原因について
コンクリートのひび割れは、様々な要因によって発生します。ひび割れの種類やパターンを理解することで、原因の推定が可能となり、適切な対策を講じることができます。
コンクリートの初期ひび割れや構造的クラックの原因として、沈下ブリーティングやセメント水和熱、乾燥収縮など、複数の要因について詳しく解説します。
沈下ブリーティング
沈下ブリーティングとは、コンクリートの打設後、コンクリート内部で水分が上昇して表面に出てくる現象を指します。この現象は、コンクリートが硬化する過程で、コンクリート内部の水分が上に向かって移動し、表面に水分が浮き上がってくることで起こります。
この水分の移動が原因で、コンクリート表面に水分がたまり、その後、表面が乾燥し、ひび割れが生じることがあります。特に、コンクリートの水分含有量が多すぎる場合や、硬化の過程で温度差が大きい場合に、沈下ブリーティングが発生しやすくなります。
沈下ブリーティングによるひび割れは、コンクリートの表面が不均等に乾燥することから生じ、強度が不均一になることがあります。このため、コンクリートの耐久性や強度に悪影響を与え、放置するとさらなるひび割れや劣化を引き起こす可能性があります。
セメント水和熱
セメント水和熱とは、セメントと水が反応して硬化する過程で発生する熱のことです。セメントに水を加えると、化学反応が起き、セメントが固まっていきます。この反応は「水和反応」と呼ばれ、反応が進むと熱が発生します。この熱を「水和熱」と言います。
水和熱はコンクリートの硬化過程で重要な役割を果たしますが、温度が急激に上がると、コンクリート内部にひび割れが生じる原因となることがあります。特に、大量のコンクリートを一度に打設すると、水和熱の影響で温度差が生じ、ひび割れが発生しやすくなることがあります。これが「温度ひび割れ」と呼ばれるものです。
コンクリートの水和熱は、コンクリートの強度や耐久性にも影響を与えるため、適切な温度管理や、打設後の養生が必要です。特に大規模なコンクリート打設や暑い季節には、水和熱を抑えるための工夫(例えば、冷却水の使用やコンクリートの冷却)が必要になります。
乾燥収縮
乾燥収縮とは、コンクリートが硬化する際に水分が蒸発して、コンクリートが縮む現象です。この過程で、特に温度や湿度が急激に変化すると、コンクリートの表面が乾燥しやすくなり、その結果、ひび割れが発生しやすくなります。
新しく打設されたコンクリートは、硬化しながら水分を失い、縮んでいきます。そのため、ひび割れが生じることがあるのです。乾燥収縮によって発生するひび割れは、通常、構造物の強度に直接的な影響を与えることは少ないですが、ひび割れから水が入り込むと、鉄筋が錆びたり、基礎が劣化する原因となることがあります。
荷重・構造物の不等沈下
荷重・構造物の不等沈下とは、建物や構造物の基礎が均等に沈まない現象で、一部が他の部分よりも沈むことを指します。この現象が発生すると、建物全体に歪みが生じ、ひび割れや破損の原因となることがあります。
不等沈下の原因としては、地盤が均等でないことが挙げられます。例えば、地面が軟らかい部分や不安定な部分に建物が建っている場合、その部分が他の部分よりも沈みやすくなり、基礎の一部が沈下してしまいます。
また、建物にかかる荷重が均等でない場合、特定の部分に過度な負担がかかり、そこが沈んでしまうことがあります。さらに、基礎の設計や施工に不備があれば、基礎が均等に沈むことができず、不等沈下が発生します。
不等沈下が進行すると、建物の構造に歪みが生じ、壁にひび割れが入ったり、ドアや窓の開閉に問題が生じたりします。最終的には、建物全体の強度が低下し、地震などの衝撃に対しても脆弱になってしまいます。
そのため、不等沈下を防ぐためには、事前に地盤調査を行い、適切な基礎設計と施工を行うことが非常に重要です。また、もし不等沈下が発生した場合には、早期に対応しましょう。
環境や温度変化
環境や温度変化によるひび割れは、コンクリートが温度に応じて膨張したり収縮したりすることから生じます。
コンクリートは温度が上がると膨らみ、逆に温度が下がると縮む性質を持っています。この膨張と収縮が急激に起こると、コンクリートの表面と内部で膨張・収縮の度合いに差が生じ、それがひび割れを引き起こす原因となります。
例えば、昼間は気温が高く、夜間に急激に冷え込むような環境では、コンクリートの表面が膨張し、内部よりも早く収縮しようとします。これによりコンクリート内部に力がかかり、ひび割れが生じます。また、コンクリートが固まる過程でも温度の変化が影響を与え、この温度差がひび割れを引き起こすことがあります。
温度変化によるひび割れは、特に広範囲にコンクリートを打設する際や急激な温度変化が予想される環境では注意が必要です。ひび割れが小さいうちは大きな問題にならないこともありますが、ひび割れが広がると、水分が侵入して鉄筋が錆びたり、コンクリートが劣化することにつながるため、放置せずに早期に対処することが大切になります。
凍結融解
凍結融解とは、物質が凍る(固体化する)ときと、溶ける(液体に戻る)ときの繰り返しによって生じる現象です。特に水分を含んだコンクリートや土壌において、寒冷地で頻繁に発生します。
この現象では、温度が下がって水分が凍ると、体積が膨張します。凍結により水分が膨張することで、コンクリートや土壌内部に圧力がかかり、ひび割れや亀裂が生じることがあります。
次に温度が上昇して水分が再び溶けると、膨張した部分が収縮しますが、ひび割れがすでにできている場合、その部分がさらに弱くなり、再凍結が繰り返されるとひび割れが広がることになります。
この凍結融解の繰り返しが進むと、コンクリートや土壌の構造が劣化し、耐久性が大幅に低下する可能性があります。特に道路や橋、基礎など、外部の湿気や水分を多く含む部分では、凍結融解による劣化が深刻な問題を引き起こすことがあるため、適切な対策(例えば、防水処理や断熱材の使用)をしましょう。
中性化
中性化によるひび割れは、コンクリートのアルカリ性が低下し、鉄筋が腐食することから生じます。通常、コンクリートは強いアルカリ性を持っており、このアルカリ性が鉄筋を保護する役割を果たしています。
しかし、長期間にわたって空気中の二酸化炭素(CO2)がコンクリート内部に浸透すると、アルカリ性が徐々に弱まり、コンクリートが中性化していきます。
中性化が進行すると、鉄筋を保護していた膜が破壊され、鉄筋が酸化(腐食)し始めます。鉄筋が腐食すると、体積が膨張し、その膨張によって周囲のコンクリートがひび割れを起こすことになります。このひび割れが進むと、さらに水分や塩分が侵入し、腐食が進行していきます。
中性化によるひび割れは、コンクリートの強度を低下させるため、特に基礎部分や外壁などの露出部分で問題になります。中性化は時間の経過とともに徐々に進行するため、放置すると修理が難しくなり、修理費用も増えることになります。
構造的クラック
構造的クラックとは、建物や構造物の強度に直接影響を与えるひび割れのことです。
このひび割れは、建物の耐久性や安全性を損なう可能性があり、放置すると構造全体に深刻な問題を引き起こすことがあります。構造的クラックは、通常、コンクリートや鉄筋コンクリート構造において見られますが、木造や鉄骨構造にも現れることがあります。
このようなクラックは、荷重や振動、温度変化、地盤の沈下など、さまざまな外的要因によって引き起こされます。例えば、建物の基礎部分が不均等に沈下したり、地震や強風の影響で過度の力がかかると、構造的クラックが生じます。また、コンクリートが乾燥収縮する過程や、鉄筋の腐食によっても発生することがあります。
構造的クラックが進行すると、建物の耐震性や荷重耐性が低下し、最悪の場合には建物の倒壊や重大な損傷を引き起こすことがあります。そのため、このタイプのひび割れは非常に重要であり、早期に専門家による診断と修理が必要です。
コンクリートクラックの放置は危険?
ンクリートクラックを放置することは、建物の安全性や耐久性に深刻な影響を与える可能性があります。小さなクラックでも、進行すると大きな問題を引き起こすことがあるため、早期の発見と対処が重要です。
クラックが放置された場合に建物全体に与える重大な影響や、美観や耐久性への影響について詳しく解説します。
小さなクラックでも放置するのは危険!?
小さなクラックでも放置するのは危険です。ひび割れが小さいうちは問題に感じないかもしれませんが、時間が経つとそのひび割れが広がることがあります。
特に、雨水や湿気がひび割れを通じて内部に入り込むと、鉄筋が錆びたり、コンクリートが劣化したりする可能性が高くなります。また、ひび割れが進行すると、建物全体の耐久性が低下し、最終的には構造的な問題を引き起こすこともあります。
さらに、外壁や基礎部分のひび割れが進行すると、地震などの衝撃に対して弱くなり、最悪の場合、建物が倒壊する危険性もあります。放置せずにできるかぎり早めの対処が必要です。
建物全体に重大な影響を与える可能性は?
コンクリートクラックは、放置すると建物全体に重大な影響を与える可能性があります。ひび割れが進行すると、コンクリート内に水分や湿気が入り込むことで鉄筋が錆びたり、コンクリートが劣化したりします。これにより、構造物の強度が低下し、耐震性や耐久性が弱くなります。
特に基礎部分や外壁にひび割れがある場合、建物全体の安定性に影響を与えることがあります。ひび割れが進行し、構造にまで達すると、最終的には建物の倒壊や大規模な損傷を引き起こすことも考えられます。
美観や耐久性への影響は?
ンクリートのひび割れは、建物の美観にも耐久性にも影響を与える可能性があります。まず、外壁や内壁にひび割れがあると、見た目が悪くなり、建物の外観が損なわれます。特に新築や外観が重視される場所では、ひび割れが目立つことで美観に大きなダメージを与えることがあります。
また、耐久性にも大きな影響があります。ひび割れを放置すると、内部に水分や湿気が侵入しやすくなり、鉄筋が錆びる原因となります。鉄筋の腐食が進むと、コンクリートの強度が低下し、建物全体の耐久性が落ちてしまいます。さらに、ひび割れが広がることで、構造的な問題を引き起こす可能性もあります。
コンクリートクラックを防ぐための予防策は?
コンクリートのひび割れを完全に防ぐ方法は存在しません。コンクリートの特性上、ひび割れはさまざまな要因によって引き起こされるため、完全に防ぐことは非常に難しいのです。
温度変化や乾燥収縮、振動、そしてコンクリートの経年劣化など、ひび割れの原因は多岐にわたります。また、コンクリートが使用される場所が屋外であることが多く、立地や環境によってもその影響を受けるため、すべての要因に対処するのはほぼ不可能です。
そのため、ひび割れを完全に防ぐというよりも、許容できる範囲に抑えることが重要です。実際、施工中に適切な管理を行うことで、ひび割れの発生リスクを低減させることが可能です。
コンクリートの配合計画や運搬時間、流し込み作業の時間、温度管理、そして養生期間など、施工過程での管理がしっかりと行われれば、ひび割れを最小限に抑えることができます。これらの対策を講じることで、ひび割れの発生を減らし、コンクリートの耐久性を高めることができます。
コンクリートクラックの補修方法
コンクリートクラックが発生した場合、適切な補修方法を選ぶことが重要になります。ひび割れの進行を防ぎ、建物の強度を保つためには、状況に応じた補修技術が必要です。
効果的なコンクリートクラックの補修方法として、Uカット(Vカット)シール材充填工法、ビックス工法(低圧注入工法)、アラミド繊維シート貼り付け工法の3つの方法について、詳細に解説します。
Uカット(Vカット)シール材充填工法
コンクリートに発生したひび割れの補修方法には、漏水を防ぐためのシール工法やUカットシール材充填工法があります。この工法は木造モルタル外壁のひび割れには適しておらず、鉄筋コンクリートや基礎部分の補修に向いている工法になります。
ひび割れ幅が0.3mm未満の場合は、シール工法が一般的に使用され、0.3mm以上の場合にはUカット工法が採用されます。しかし、この基準は絶対的なものではなく、業者によっては0.5mm未満をシール工法で補修し、0.5mm以上の場合にUカット工法を用いることもあります。
Uカット工法は手間や時間がかかるため、費用も高くなります。そのため、予算の関係で0.3mm以上のひび割れでもシール工法で簡易的に補修することがよくあります。また、作業中には騒音や粉塵が発生するため、近隣環境によっては施工が難しい場合もあります。
ビックス工法(低圧注入工法)
ビックス工法は、コンクリートのひび割れ補修のための方法で、低い圧力でゆっくりと時間をかけてひび割れの中に補修材を注入する技術です。
この方法では、特別なゴムチューブを使い、注入作業を効率よく進めます。ゴムチューブが注入材を押し込み、ひび割れの奥深くまでしっかりと届くので、補修効果が高いです。
ビックス工法の大きな特徴は、ひび割れの隅々までしっかりと補修材が行き渡ることです。ゴムチューブの圧力で、ひび割れ内部の細かい部分にも注入材がきれいに広がり、鉄筋周りの隙間もしっかり埋めることができます。これにより、コンクリート構造の強度を回復させることができ、ひび割れを効果的に修復できます。
また、この方法は作業が早く、特別な技術を必要としません。注入器具を使ってゴムチューブを膨らませるだけで作業が進むので、効率的に修理を進めることができます。さらに、ゴムチューブによる均一な圧力で注入が続くため、作業後に硬化具合を簡単にチェックでき、管理がとても楽です。
ビックス工法は、短時間で高い修復効果を得られるため、コンクリートのひび割れ修理にとても適した方法です。
アラミド繊維シート貼り付け工法
アラミド繊維シート貼り付け工法は、コンクリート構造物の補強方法の一つで、アラミド繊維を使用した軽量で高強度なシートをコンクリートに貼り付ける方法です。
この工法は、ひび割れや劣化したコンクリートの耐荷重を増加させ、耐震性を向上させる効果があります。アラミド繊維は引張強度が高く、耐腐食性も優れており、湿気や化学薬品にも強い特徴を持っています。
施工は、まずコンクリート表面を清掃し、接着剤を塗布してからアラミド繊維シートを貼り付けます。作業は比較的簡単で、施工時間が短縮され、コストパフォーマンスが高いです。また、周囲への影響が少なく、効率的に補強ができます。
この工法は、特にコンクリートのひび割れや劣化部分の補強に効果的であり、コスト削減と施工効率の向上に貢献します。しかし、長期間の耐久性を維持するためには、定期的な点検とメンテナンスが必要です。
コンクリートクラックに関するよくある質問 (FAQ)
コンクリートクラックに関するよくある質問についてご紹介します。
DIYで補修はできる?
DIYでのコンクリートのひび割れ補修は、幅0.3mm以下・深さ4.0mm以下の「ヘアークラック」のみ可能です。
ホームセンターでは、ひび割れ補修に必要な材料が手軽に購入でき、作業も簡単です。補修材には、ひび割れ用やへこみ用など、さまざまな種類があります。ひび割れ補修には、ひび割れ専用の材料を選び、他の症状には適切な補修材を使用するのがポイントです。
補修を始める前に、ひび割れ部分の汚れやカビをきれいに取り除き、乾燥させることが重要です。湿っている状態で作業を行うと、補修材の効果が減少するため、完全に乾かしてから補修を行いましょう。また、ひび割れの幅が0.3mm以上の場合は、耐久性に影響を与える可能性があるため、DIYで補修するのではなく、専門業者に依頼することをおすすめします。
コンクリートのひび割れ補修材は、セメントや樹脂が主成分で、ホームセンターで手軽に手に入ります。価格も1,000円程度で購入でき、さまざまなタイプがあります。ひび割れの幅や場所に合わせて、最適な補修材を選んで作業を進めましょう。
コンクリートクラックの補修にかかる費用は?
マンションの壁にひび割れがある場合、補修方法と費用はひび割れの種類によって異なります。以下の表に、各ひび割れの種類に対する補修方法と費用相場をまとめました。
ひび割れの種類 | 費用相場/㎡ |
---|---|
ヘアクラック | 100円〜600円 |
構造クラック(0.3mm〜1.0mmのひび) | 2,800円〜3,800円 |
構造クラック(1.0mm以上のひび) | 4,000円〜6,300円 |
乾燥クラック | 1万円〜9万円/一カ所 |
縁切りクラック | 500円〜1,000円 |
開口クラック | 1万〜9万円/一カ所 |
ひび割れの大きさや原因によって、適切な補修方法が異なります。早期の対応が求められるため、ひび割れを発見したらまずは専門業者に調査を依頼することが重要です。
また、調査を安く済ませるためには、ドローンによる赤外線を活用した外壁調査をお勧めします。これにより、目視では確認しづらい部分も効率的に調査でき、コストを抑えながら詳細な状態を把握することが可能です。
新築なのにコンクリートがひび割れる原因は?
新築でもコンクリートがひび割れることがありますが、このひび割れ原因は主に以下になります。これらが発生する詳細は前述の「コンクリートクラック|ひび割れ種類パターンと原因について」をご参考ください。
- 乾燥収縮
- 水和熱
- 不同沈下
- 地震
- 施工不良
- 中性化
これらの原因を防ぐためには、適切な材料の選定や設計、施工が非常に重要です。また、コンクリートの打設後は、適切な養生を行い、乾燥や温度変化に注意を払いながら管理することが求められます。
当社リビングカラーコーポレーションでは、豊富な経験と高い技術力を活かし、無足場工法による外壁調査などのサービスを提供しています。足場設置が不要なため、工事中の安全性や入居者負担の軽減にも優れており、しかも大幅なコスト削減、工事期間の短縮ができることから、多くのオーナー様からご好評をいただいております。無足場工法での工事をお考えのオーナ様はぜひお気軽に当社までお問い合わせください。