ビデ(ビディ)足場とビケ足場の違いとは?単価、用途や特徴、設置基準など

マンションオーナーの皆さま、ビデ(ビディ)足場とビケ足場の違いをご存じでしょうか?これらの足場は、建設やリフォームにおいて使用されることが多いですが、どちらを選ぶべきか迷うこともあります。
ビデ足場とビケ足場には、それぞれ特徴や利便性に違いがあります。本記事では、オーナー様が必要とする足場の選び方を、単価、安全性、設置のしやすさ、メリット・デメリットなどの観点からわかりやすく解説します。
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ビデ(ビティ)足場とビケ足場の違い
「ビデ(ビティ)足場」と「ビケ足場」は名前が似ているため、しばしば同じものと混同されがちですが、実際には異なる種類の足場です。「ビテ足場」は枠組足場の一種で、主に中高層の建物の建設に使われるのに対し、「ビケ足場」はくさび緊結式足場で、低層住宅や低中層建築に使用されることが一般的です。
これらの足場は異なるタイプであり、混同しないように注意が必要です。
どちらも現代の足場業界で広く使われている主流の足場で、対象とする施工範囲が類似しているため、競合する場面が多いです。このため、名前が似ていることもあって、ビケとビティを混同しやすいです。
ビデ(ビティ)足場とは?
ビテ足場は、工事現場における枠組足場の一つで、主にビルの外壁面に沿って設置される仮設足場で「ビティ足場」とも言われます。呼び方は「ビティ足場」という通称が使われることが多いです。
この足場は、鋼管を門型に溶接した建枠を中心に構成され、ジャッキベース、筋交、鋼製布板などの基本部材を組み合わせて積み上げることで完成します。これにより、安全性と効率性が高まり、特に高層ビルの建設現場などで利用されています。
特徴
- 高強度と安定性
- 高層建築に使用可能
- インチサイズとメートルサイズでの選択が可能
- 音が比較的静か
ビデ足場は、軽量でありながら高い強度と安定性を持っており、特に高層ビルの建設に適しています。その設置には専門的な知識が必要ですが、大規模な足場であるため、設置場所には十分なスペースの確保が必要です。
サイズはインチとメートルの2種類があり、現場に応じた選択ができます。しかし、この2つには互換性がない場合もあるため注意が必要です。また、ハンマーを使わずに組み立てることができるため、音が比較的静かな点も特徴です。
由来と歴史
ビデ足場(ビティ足場)の名称は、考案者であるデビッド・イー・ビティ氏に由来しています。
ビティ氏は1940年頃、アメリカで枠組足場の基礎となる機材の特許を取得し、枠組足場の発展に大きく貢献しました。彼が創設した会社から、三井物産が日本に初めて建枠を輸入したことをきっかけに、ビティ足場という名称が広まりました。
ビティ足場は、鋼製やアルミニウム製の足場が使用され、強固な鳥居型建て枠や筋交い、鋼製布板、ジャッキベースなどを組み合わせて構成されます。日本では住友金属建材株式会社(現・日鐵住金建材株式会社)が初めて枠組み足場を開発しました。
部材や規格
ビデ足場は、工事現場で使用される鋼管を使った枠組み足場の一種です。ビディ足場の基本構成部材は、建枠・ジャッキ・筋交・ジョイント・ピン・アームロック・布板・壁つなぎ・手摺です。
主な部材には、鋼管を門型に溶接した建枠があり、これが足場の基盤となります。建枠を支えるためにジャッキベースが使用され、足場の高さを調整する役割を果たします。足場の横の揺れを防ぐために筋交いが取り付けられ、足場板には鋼製布板が使われて作業員の足場として機能します。これらの部材が組み合わさり、安全で効率的な足場となります。
寸法規格に関しては、鋼管の外径は通常48.6mm、厚さは1.8mm~2.5mm程度のものが使われます。門型フレームの高さは1.8m、2.0m、2.4mなどのサイズがあり、幅は0.9m、1.0m、1.2mなどが一般的です。足場板の長さは1.8mまたは2.0m、幅はおおよそ200mmです。
また平成21年6月1日施行の「労働安全衛生規則」の改正により、枠組足場の寸法基準が改正され、以下の墜落防止措置が必要となりました。参考:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署による労働安全衛生規則の改正
- 交さ筋かい+幅木(高さ15cm以上)
- 交さ筋かい+下さん(高さ15~40cmの位置)+メッシュシート
- 交さ筋かい+下さん・幅木と同等以上の措置(高さ15cm以上)
- 手すりわく+幅木(高さ10cm以上)
- 手すりわく+メッシュシート
- 手すりわく+幅木と同等以上の措置(高さ10cm以上)
枠組足場に使用する基本部材は、厚生労働大臣が定める規格(昭和56年12月26日付労働省告示103号及び104号)に基づいており、これに従って部材が選定されています。また、その他の部材については一般社団法人仮設工業会が認定制度や承認制度、単品承認制度を設けており、部材の品質や規格がチェックされています。
建枠の許容荷重に関しては、標準枠(高さ1800mm以下)の場合、42.6kN(4350kg)の荷重を支えることができると定められています。これらの規格や基準に従うことで、ビデ足場の安全性と安定性が確保されます。
ビケ足場とは?
ビケ足場とは、鉄製の部材を使って組み立てられる足場の一種で、主に建築現場で使われます。
特に外壁の塗装や高所での作業、工事現場などで安全に作業を行うために使用されるものです。一般的に、安定性と耐久性に優れており、組み立てや解体が比較的容易なため、多くの現場で使用されています。基本的に直立している支柱(鋼管)と、横に張られた横桟(鋼管や木材)を組み合わせることで作られます。
特徴
- 工事期間が短い
- コストがかからない
- 複雑な形状の建物でも足場が組みやすい
- 低層住宅や低中層建築での施工に適している
- 安全性・作業性・耐久性にすぐれている
- ハンマー1本で組み立てができる
ビケ足場の最大の特徴は、工期が短いことです。ハンマー1本で簡単に設置できるため、組立・解体に時間がかかりません。また、枠組み足場の半分ほどの重量でコンパクトな規格なので、材料の持ち運びが容易にできます。これにより、人件費や運搬費なども抑えられます。
組み合わせ次第で、建物に合った足場を作ることができるのも、ビケ足場の特徴です。高層建築の施工には適さない分、狭い場所にあったり、複雑な形状をしたりしている低中層建築にも対応することができます。
由来と歴史
ビケ足場の起源は、日本の建設現場で効率的な足場が求められたことから発展しました。日本の足場の歴史は古く、江戸時代には木材を使った足場が使用され、戦後の高度経済成長に伴い、鉄製の足場が広く普及しました。
ビケ足場という名称は、1980年に大三機工商会が開発した「くさび緊結式足場」の商品名に由来しており、名称の「ビケ」は、「美形」を意味し、現場を美しく形作るという意図が込められています。
このビケ足場は、緊結部分にくさび方式を採用し、日本で初めて販売された鉄製足場部材であり、建設業界に大きな影響を与え、広く普及しました。そのため、くさび緊結式足場全般を指してビケ足場と呼ばれるようになりました。
部材や規格
ビケ足場を構成する主な部材には以下のものがあります:
支柱(鋼管):
支柱は、足場の垂直方向に配置される主要な部材で、足場の安定性を保つために不可欠です。通常、鋼管で作られ、強度が求められます。支柱のサイズや高さは現場の必要に応じて変更できます。
横桟(鋼管):
横桟は、支柱と平行に設置され、足場の水平方向の安定性を提供します。これも鋼管で作られ、規格として定められたサイズに基づいて使用されます。
床板(足場板):
作業員が足を置くための床板は、木材や鋼板が使用されることが多いです。これにより、足場の上で作業をする際の安全性が確保されます。
クランプ:
部材同士を固定するために使用される部品で、鋼管をしっかりと固定するために使用します。クランプは、足場の安定性を確保するために不可欠な部品です。
安全ネットやフェンス:
足場を囲むために安全ネットやフェンスを設置することも一般的です。これにより、作業員の安全や、建物から落下物が外に出ることを防ぎます。
またビケ足場の部材や組み立て方法には、規格が定められており、以下のような規格があります:
JIS規格(日本工業規格):
JIS規格に基づいて、各部材の強度やサイズが定められています。これにより、ビケ足場の安全性が担保されます。
足場の強度基準:ビケ足場は、特定の荷重を支えることができるよう設計されています。例えば、標準的なビケ足場は、一定の荷重を支えるために適切な強度を持っていなければなりません。
組み立て・解体基準:足場の組み立てや解体を行う際には、一定の基準に従って行うことが求められます。これにより、作業員の安全が守られ、事故を防止することができます。
ビデ(ビティ)足場とビケ足場の違い①:単価
ビデ(ビディ)足場とビケ足場を選ぶ際、コストは非常に重要なポイントになります。どちらの足場も使用目的によって価格が異なり、単価や費用の計算方法を把握しておくことが必要です。
ここではビケ足場の平米単価や、足場を設置する際の相場について詳しく解説します。また、二階建て~八階建ての建物での足場設置費用についても、オーナー様が予算を立てやすいように、単価表を用いて費用感を紹介します。
相場単価の違い
ビケ足場とビデ足場の相場は以下のようになっています。
足場の種類 | 単価相場(1㎡あたり) |
---|---|
ビデ足場 | 1,000~1,500円 |
ビケ足場 | 800~1,200円 |
単価表で表すと以下のようになります。建物の外周を固定(60㎡)、各階層の高さを3m、足場単価を1,000円として、2階から8階までの費用相場を算出した結果です。計算式は後述をご参考ください。
階層 | 高さ | 計算式 | 費用相場 |
---|---|---|---|
2階 | 6m | 60㎡ × 6m × 1,000円 | 384,000円 |
3階 | 9m | 60㎡ × 9m × 1,000円 | 576,000円 |
4階 | 12m | 60㎡ × 12m × 1,000円 | 768,000円 |
5階 | 15m | 60㎡ × 15m × 1,000円 | 960,000円 |
6階 | 18m | 60㎡ × 18m × 1,000円 | 1,152,000円 |
7階 | 21m | 60㎡ × 21m × 1,000円 | 1,344,000円 |
8階 | 24m | 60㎡ × 24m × 1,000円 | 1,536,000円 |
この計算方法を用いることで、建物の高さや外周に応じた仮設足場の費用を簡単に見積もることが可能です。建物の構造や条件によって多少の変動はあります
足場設置不要の工事、無足場工法をご存じでしょうか。足場設置が不要なため、工事中の安全性や入居者負担の軽減にも優れており、しかも大幅なコスト削減、工事期間の短縮ができます。当社リビングカラーコーポレーションでは、豊富な経験と高い技術力を活かし、無足場工法による外壁工事・点検・清掃などのサービスを提供しており、多くのオーナー様からご好評をいただいております。無足場工法での工事をお考えのオーナ様はぜひお気軽に弊社までお問い合わせください。
足場の費用の計算式
仮設足場の設置にかかる費用は、通常1㎡あたり700円から1,500円の範囲で設定されています。この単価を元に、建物の外周と高さを掛け合わせて、必要な足場面積を計算し、費用の概算が可能です。
足場を設置する際、注意すべき点は、足場の外周が建物の外周よりも広くなることです。これは足場が建物の外側に設置されるためであり、また足場の高さが建物の高さに0.5mを加えた位置で設置されることが一般的だからです。
例えば、30mの高さ(10階建て)を持つマンションで、外周が100mの場合、足場の外周と面積は次のように算出できます。
- 足場の外周:建物の外周100m+4m(各面0.5mの増加分)=104m
- 足場の面積:外周104m × 高さ30m = 3,120㎡
- 総費用:3,120㎡ × 単価(ここでは1㎡あたり1,000円)= 3,120,000円
このように、建物の外周や高さを元に、足場の設置にかかる費用を概算することができますが、実際の見積もりでは、足場の種類や建物の形状、設置場所の状況によって費用が変動することを考慮する必要があります。
ビデ(ビティ)足場とビケ足場の違い②:安全性
両者の安全性において大きな違いはありませんが、設計や施工方法の細部で差が生じることがあります。
ビデ足場は高層建築に最適で、優れた耐荷重性能があり、非常に高精度を重視しているため、特に高所作業での安定性が確保されています。
ビケ足場も安全性を重視した設計がされていますが、標準化されているため、規格外の部材や方法が使用されにくいという点で安定性が保たれています。
総じて、ビデ足場とビケ足場はどちらも高い安全性を誇りますが、現場の特性や必要とされる耐荷重に応じて、選択されることが多いです。いずれの足場も、設置・使用に際しては、規定に従い正しい手順で組み立てることが安全性の確保ができます。
ビデ(ビティ)足場とビケ足場の違い③:設置のしやすさと組み方
ビデ足場はパーツが重く、設置には慎重な作業が必要です。特に高さを上げる際には、熟練した作業者が求められます。一方、ビケ足場は軽量で、組み立てが簡単で効率的に作業が進みます。
組み方についても、ビデ足場は強度を確保するための注意が多く、ビケ足場はシンプルで直感的に組み立てられます。ビケ足場は初心者でも扱いやすい特徴があります。
設置のしやすさの違い
ビデ足場の設置にはビケ足場に比べ、パーツが重く、特に高さを上げる際には慎重な作業が求められます。また、ビケ足場よりも組み立てに工夫が必要な部分があり、設置時間はやや長くなることがあります。そのため、専門的な知識が必要なり、熟練した作業者でないと効率的な設置が難しいです。
ビケ足場はビデ足場に比べ、簡単に設置できます。部品が比較的軽量で、特に足場のベース部分の設置がスムーズに進むため、初心者でも取り組みやすいです。設置時には、専用の工具を使わずに手作業で組み立てることができるため、素早く設置が可能です。特に高さが低い場合は、作業が効率的に行えます。
組み方の違い
ビデ足場の組み方は、ビケ足場に比べて複雑です。特に、強度を確保するために複数の支点をしっかりと固定しなければならず、部材の配置や接続方法に注意が必要です。足場の高さや幅に応じて、適切な間隔で部材を取り付けることが求められます。また、接続部分で特殊な留め具を使用することが多く、より精密な作業が必要とされます。
また近年、足場作業における安全性を重視するため、作業床(足場板)を設置する前に上層部の手すりを先に取り付ける「手すり先行工法」が広がりを見せています。参考:厚生労働省 手すり先行工法に関するガイドライン
ビケ足場の組み方はビデ足場に比べ、比較的シンプルです。足場を組み立てる際、主に直線的に部材を組み合わせていくので、設置手順も直感的です。部材の接続部分がシンプルで、基本的にクランプなどでしっかり固定することができます。特に、横桟や縦桟の配置が決まっているため、標準的な設置方法で対応できます。
ビデ(ビティ)足場とビケ足場の違い④:メリットとデメリット
リフォームや修繕工事の際に足場選びは重要です。ビデ足場とビケ足場には、それぞれに利点と欠点があります。どちらを選ぶかは、工事の内容や予算、設置場所に応じて決めることが大切です。
ここでは、ビデ足場とビケ足場のメリット・デメリットを比較して、どちらがニーズに合っているかをお伝えします。
ビデ(ビティ)足場のメリットとデメリット
メリット
ビデ足場のメリットは以下のようなものがあります。
メリット①:高い耐荷重性能と安定性
ビデ足場は使用する素材が強固であること、足場構造がしっかりとしたフレームで支えられているため、非常に高い耐荷重性能と安定性を持つことが特徴です。
これにより、建設作業中に発生する外的な力や荷重に対して非常に安定しており、作業員が安全に作業を行うことができます。特に高所作業で使う場合、足場の崩れやぐらつきが重大な事故に繋がるため、この耐荷重性能と安定性は不可欠です。
メリット②:高層建築に適している
ビデ足場は高い建物を建てるのにとても適しています。モジュール式の設計なので、現場に合わせて高さを柔軟に調整できまき、高層ビルの外壁を覆うための足場を素早く作ることができます。
また、高い場所での作業が安全に進められ、作業が効率よく進むので、工事の時間を短縮することができます。
メリット③:騒音被害を抑えられる
ビデ足場の一大特徴のひとつとして、「打ち込みを必要としない」ことがあります。通常の足場は、地面に支柱を打ち込むためにハンマーなどで強い衝撃を加えることが必要です。しかし、ビデ足場ではこのような打ち込み作業が不要で、土台に直接設置するため、騒音を抑えることができます。
これにより、特に都市部や住宅街などの音に敏感な地域での建設現場では、大きな騒音被害を防ぐことができます。打ち込み作業がないことで、作業の開始から終了まで騒音が最小限に抑えられるため、周囲の住民への配慮が可能になります。また、騒音による周辺住民の苦情を減らすことができ、現場のイメージ向上にも繋がります。
デメリット
デメリット①:専門的な知識と技術が必要
ビデ足場は設置する場所の条件に合わせた調整が求められるため、経験豊富な作業員や技術者による監督が必要になります。誤った設置や部材の選定ミスがあると、足場が不安定になり、作業員の安全確保ができません。そのため、足場の設置・解体には高度な技術を持った作業員が必要となり、一定の教育やトレーニングが欠かせません。
また、組み立てや解体の作業は時間がかかる場合もあるため、無資格の作業員が行うと効率が低下し、全体的な作業進行に支障をきたす可能性もあります。
デメリット②:初期コストが高い
ビデ足場の最も大きなデメリットの一つは、初期コストが高いことです。ビデ足場は強度や耐久性に優れた材料を使用しており、また、モジュール式の部材を使用しているため、製造コストが高くなる傾向があります。
特に、建設初期段階での足場設置が必要な場合、そのコストは予算に大きな影響を与える可能性があります。さらに、レンタル費用がかかる場合もあるため、長期間使用しないプロジェクトにおいては、コストが積み重なり、大きな費用となることがあります。
デメリット③:設置スペースが大きい
ビデ足場は、安定性を確保するために広い設置面積が必要です。モジュール式で組み立てられるとはいえ、その各部材の設置には一定のスペースが必要であり、狭い現場や周囲にスペースの制約がある場合には設置が難しいことがあります。特に都市部の狭小地や、建物の周りに障害物が多い場合、足場を設置するためのスペースを確保することが困難です。
また、高さが増すにつれて、足場全体の基礎をしっかりと確保するために、横方向にも広がりを持たせる必要があり、その結果として足場の設置に必要な面積が広くなります。これにより、周囲の環境や他の作業スペースを圧迫し、現場内の作業効率に影響を与えることがあります。
ビケ足場のメリットとデメリット
メリット
ビケ足場のメリットは以下のようなものがあります。
メリット①:ハンマー1本で簡単に組み立て・解体できる
ビケ足場の最大の特徴は、ハンマー1本で簡単に組み立てと解体ができる点です。支柱にブラケットを取り付け、手すりや踏板を合わせるだけで、迅速に足場を完成させることができます。このシンプルな作業方法により、複雑な建物形状にも柔軟に対応でき、手間をかけずに足場を設置・撤去できます。
メリット②:コストが削減できる
ビケ足場はその軽量さが特徴で、他の足場に比べて運搬が容易です。コンパクトにまとめて運べるため、少人数でも効率よく移動や設置が可能です。このため、人件費や運搬費を大幅に削減でき、コストパフォーマンスに優れています。
メリット③:工期が短い
ビケ足場は、部材が軽く取り扱いやすいため、作業効率が非常に高いです。また、ハンマーだけで組み立てや解体ができるため、足場設置にかかる時間が大幅に短縮されます。これにより、全体の工期が短くなり、工事全体の効率化に繋がります。
デメリット
ビケ足場のデメリットは以下のようなものがあります。
デメリット①:高層建築の施工には適さない
ビケ足場は、基本的に高層建築の施工には適していません。高層ビルなどの大型の建物には、耐荷重や強度がより高い足場が求められます。ビケ足場は軽量で組み立てやすいものの、高層建築のような大規模な現場では、枠組足場など、さらに強度のある足場が選ばれることが多いです。
デメリット②:組み立て時の音が大きい
ビケ足場は、ハンマーを使用して部材を組み立てるため、音が大きくなりがちです。このため、作業中に騒音が発生し、周辺住民に迷惑をかける可能性があります。特に都市部や住宅地で作業を行う際には、作業時間帯や場所に配慮する必要があり、周囲への騒音対策が必要になります。
デメリット③:幅が狭い場所には設置できない可能性あり
ビケ足場はコンパクトで柔軟性がありますが、隣家との距離が非常に狭い場合、設置が難しくなることがあります。このような状況では、くさび式足場の代わりに、ブラケット一側足場などを使用して対応する必要があり、設置作業が少し複雑になる場合があります。
足場の設置費用を安くする方法
仮設足場費用を削減するための具体的な方法をわかりやすく紹介します。無足場工法の導入や、複数業者からの相見積もりの取得、さらに既存の補助金や助成金を活用すること、修繕作業のまとめて実施する方法、そして管理会社への依頼を一任しない工夫など、さまざまなアプローチを検討することで、費用負担を大幅に軽減することができます。
無足場工法の検討
無足場工法は、従来の足場を使用せずに工事を進める方法です。これにより足場の設置や撤去にかかるコストが削減でき、全体的な工事費用を大きく抑えることができます。ただし、工事内容や建物の特性によっては、この方法が適用できない場合もありますので、導入を検討する際には、専門業者を選定することが重要です。
また、無足場工法は、外壁の補修や塗装作業を行う際の住民への負担を軽減する選択肢として注目されています。この方法では、ロープやドローンなどの特殊な機材を使用するため、足場設置による騒音や遮光の問題が大幅に軽減され、工期の短縮にもつながります。これにより、住民の日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
無足場工法は、高度な技術と専門的な装備を必要とするため、対応できる業者が限られています。弊社リビングカラーコーポレーションでは、無足場工法に関する豊富な経験を活かし、安全で効率的な工事を提供しています。費用削減を実現し、質の高いサービスを提供しており、多くのオーナー様から信頼を得ています。無足場工法での工事をご検討のオーナー様は、ぜひ弊社までお問い合わせください。
複数業者からの相見積もり
仮設足場費用を抑えるためには、複数の業者から相見積もりを取ることで、業者ごとの費用構成やサービス内容を比較することができ、最適な価格とコストパフォーマンスの良い業者を選ぶことができます。
相見積もりを依頼する際に重要な点は、見積もり内容が明確であるかを確認することです。足場の設置費用や解体費用、運搬費、部材費などの詳細な内訳を把握することで、無駄な費用がないかを判断できます。
また、過去の実績や口コミ、サービスの質も評価基準に加えることが大切です。価格だけで選ばず、信頼できる業者を選ぶことで、後々の追加費用や作業の質に満足できる結果が得られます。
既存補助金・助成金の活用
仮設足場の費用削減においては、補助金や助成金の利用も有効です。特に、省エネ改修や耐震補強を目的とした修繕工事では、条件を満たせば助成金が支給されることがあります。これを活用することで、足場費用を含む工事全体のコストを大幅に削減できます。
まずは、地域の行政窓口や専門業者に相談して、利用可能な補助金制度を確認してみましょう。助成金には申請期限がある場合が多いため、工事計画を早期に立てることが大切です。
修繕作業をまとめて行う
足場の設置はコストがかかるため、修繕箇所をまとめて一度に工事することで、足場費用を一度で済ませることができます。外壁の塗装や防水工事、屋根修繕などを個別に行うと、その都度足場を設置する必要があり、無駄な費用が発生します。
これらの工事を一度にまとめて行うことで、足場の設置・解体費用を削減でき、工期も短縮されます。複数の修繕箇所がある場合は、事前に工事内容を整理し、業者とスケジュールを調整することで、効率的な修繕が可能になります。
管理会社に全て任せない
マンションやアパートの管理会社に工事をすべて任せることは手間が省けますが、その分コストが高くなることがあります。管理会社を通じて足場業者や工事業者を手配すると、中間マージンが発生することが多いため、直接業者に依頼することで費用を抑えることができます。
また、複数業者から相見積もりを取ることが可能になるため、より適正な価格で契約を結ぶことができます。管理会社を利用する場合でも、見積もり内容を確認し、他業者と比較することで、無駄な費用を防ぐことができます。
足場に関するF&Q
仮設足場のよくある質問についてお答えします。
足場にはどんな種類がありますか?
足場の種類には、くさび式足場(くさび緊結式足場・ビケ足場)・枠組足場・単管足場・吊り足場・移動式足場(ローリングタワー)などがあります。
ビデ(ビティ)足場やビケ足場を購入することはできますか?
ビデ足場(ビティ足場)やビケ足場は、専門業者や通販サイト、場合によってはホームセンターで購入できます。ビデ足場(ビティ足場)の1セットの価格は数万円から数十万円程度で、主に業者から購入することが多いです。ビケ足場は新品の場合も数万円から十数万円程度で購入可能です。
また、中古のビケ足場やビデ足場は、インターネットオークションや中古市場で手に入れることができ、価格は新品よりも安く、数千円から数万円程度です。購入時は、使用状況や状態に応じた選択をすると良いでしょう。
くさび式足場とビケ足場の違いは何ですか?
くさび式足場とビケ足場の違いは、主に呼び名にあります。くさび式足場は、足場を組み立てる際にくさび金具を使用してパイプを固定する一般的な構造を指します。このタイプの足場は、さまざまなメーカーから製造されています。
一方、ビケ足場は、株式会社ダイサンが1980年に開発したくさび式足場の商標名です。ビケ足場は、日本で初めて販売されたくさび式足場であり、その普及により、ビケ足場という名前が広まりました。つまり、ビケ足場はくさび式足場の一製品に過ぎないのです。
要するに、くさび式足場はその構造を指す名称であり、ビケ足場はその構造を採用した製品の商標名であるため、実際の構造や使用方法に違いはありません。呼び名が異なるだけです。
足場設置不要の工事、無足場工法をご存じでしょうか。足場設置が不要なため、工事中の安全性や入居者負担の軽減にも優れており、しかも大幅なコスト削減、工事期間の短縮ができます。弊社リビングカラーコーポレーションでは、豊富な経験と高い技術力を活かし、による外壁調査などのサービスを提供しており、多くのオーナー様からご好評をいただいております。無足場工法での工事をお考えのオーナ様はぜひお気軽に当社までお問い合わせください。